駐車場経営の固定資産税は住宅用地の6倍?土地にかかる税金の計算方法と節税対策を解説

土地活用として駐車場経営を検討している方の中には、

駐車場経営の固定資産税はいくらかかるのか
駐車場にすると税金が高いと聞いたが本当なのか
住宅用地と比べるとどれくらい負担が増えるのか

と気になっている方も多いのではないでしょうか。

確かに、住宅が建っている土地には固定資産税の軽減措置がありますが、月極駐車場やコインパーキングには適用されません。
そのため、駐車場経営では住宅用地より固定資産税が高くなる傾向があります。
しかし、実際には「固定資産税が6倍になる」とは限らず、土地の評価額や負担調整措置によって税額は異なります。

この記事では、駐車場経営でかかる固定資産税や都市計画税の計算方法、住宅用地との違い、節税方法について詳しく解説します。

駐車場経営でかかる税金の種類

駐車場経営では収益だけでなく、土地や設備にかかる税金についても理解しておくことが重要です。

主に以下の税金が発生します。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 償却資産税

それぞれの内容を確認していきましょう。

駐車場経営をご検討中の方へ事例のご紹介

固定資産税とは?

固定資産税は、毎年1月1日時点で固定資産を所有する方が納付する税金です。

地方税の一つであり、納付先は固定資産のある自治体になります。
固定資産税課税台帳に登録されている方に納付書が送付され、年4回に分割もしくは一括で納付します。
納付時期は自治体によって異なりますが、一般的には4月~6月頃に発送されます。
納付方法は、金融機関の窓口や口座振替、コンビニエンスストアなどがあります。
自治体によっては、クレジットカードやスマートフォン決済アプリでも納付可能です。

都市計画税とは?

都市計画税は、道路や公園などの都市計画事業や土地区画整理事業の費用に充てるために徴収される税金です。
原則として「市街化区域」内に土地や建物を所有している場合に、固定資産税と合わせて課税されます。
税率は自治体によって異なりますが、上限は0.3%と定められています。
駐車場の場合、住宅用地のような特例による軽減措置がないため、固定資産税(標準税率1.4%)と合わせると、評価額の最大1.7%程度が課税されることになります。
正確な税額を知るためには、固定資産税だけでなく都市計画税も含めて計算することが重要です。

償却資産税とは?

償却資産税は、事業に使用する設備や構築物に対して課税される税金です。

駐車場経営では、

  • アスファルト舗装
  • フェンス
  • 照明
  • 精算機
  • ロック板
  • 防犯カメラ

などが課税対象となる場合があります。

関連記事:コインパーキング経営にかかる消費税は?税金の種類や節税対策も解説!

駐車場経営でかかる固定資産税の計算方法

まずは、固定資産税の計算方法を見ていきましょう。
固定資産税の計算方法は、「固定資産の評価額(課税標準額)×標準税率(1.4%)」で算出されます。
固定資産の評価額(課税標準額)は、土地や建物の評価額の約70%に相当し、市町村から毎年送付される納税通知書に記載されています。
また、標準税率(1.4%)は、地方公共団体が地方税を課税する場合に、通常用いることとされている税率です。市町村は必要に応じて、1.4%と異なる税率を条例で定めることができるため、必ず確認しましょう。

駐車場の固定資産税はなぜ高いのか?

駐車場の固定資産税が高いといわれる理由は、住宅用地に適用される軽減措置が利用できないためです。

ここでは住宅用地との違いを見ていきましょう。

駐車場と住宅用地の固定資産税の違い

住宅用地には固定資産税の軽減措置があります。

駐車場と住宅用地では、固定資産税の取り扱いに大きな違いがあります。
住宅用地とは、人が住むための建物が建っている土地のことをいい、次の2種類があります。

・専用住宅用地
 戸建て住宅やマンション、アパートなど、住むことを目的とした建物の敷地

・併用住宅用地
 住居部分と店舗や事務所などが一体となった建物の敷地
 ※住宅の敷地内にある駐車場も、住宅用地に含まれます。

一方で、「月極駐車場、コインパーキング、更地」などは住宅用地として認められません。
そのため、同じ土地であっても住宅用地と比べて税負担が大きくなる傾向があります。

駐車場の地目は基本的に「雑種地」となる

土地の登記上の区分を「地目」といい、駐車場は一般的に雑種地として扱われます。
元々が「宅地」であった場所を駐車場にする場合でも、現況課税の原則により、その利用状況に合わせて雑種地として評価されることがほとんどです。
雑種地の評価方法は地域によって異なりますが、市街地にある駐車場の多くは「宅地比準」という方式で評価されます。
これは近隣の宅地と同等の価値があるとみなされる評価方法です。
つまり、評価額自体は宅地と大きく変わらないにもかかわらず、住宅用地の特例が適用されないため、結果として税負担が重くなる仕組みになっています。

住宅用地の特例とは?

住宅用地の特例とは、居住用の家屋が建っている土地に対して固定資産税を軽減する制度です。
具体的には、敷地面積200㎡以下の「小規模住宅用地」の場合、固定資産税評価額は6分の1に、都市計画税評価額は3分の1にそれぞれ軽減されます。
また、200㎡を超える部分の「一般住宅用地」の場合でも、固定資産税評価額は3分の1に、都市計画税評価額は3分の2に軽減されるため、固定資産税の負担が大幅に軽減されます。
この住宅用地の特例があることにより、駐車場の固定資産税は住宅用地に比べて6倍になると言われているのです。
しかし、実際には6倍にはなりません。なぜなら「負担調整措置」があるからです。

負担調整措置とは?

負担調整措置とは、土地の評価額が急激に上昇した場合に備え、固定資産税の過度な上昇を抑えるための仕組みです。この措置では、負担水準を計算することで課税標準額を決定します。
負担水準は、「前年度課税標準額÷当該年度の新評価額×100%」で算出され、負担水準が70%を超える場合は、当該年度の評価額の70%を課税標準として算出します。
多くの土地において負担水準は70%を超えるケースが多いため、結果的に課税標準額は「評価額×70%」になることがほとんどです。
この措置があることで、住宅用地の特例が適用されない駐車場であっても、実際の税額が単純に6倍になることはありません。

駐車場と住宅用地の固定資産税シミュレーション

実際に駐車場と住宅用地の固定資産税をそれぞれシミュレーションし、比較してみましょう。

住宅用地の場合

<前提条件>土地面積:200㎡ 固定資産税評価額:3,000万円 負担水準:70%以上
住宅用地の場合、住宅用地の特例が適用になるため課税評価額が6分の1に軽減されます。
そこに1.4%を乗じることで固定資産税が算出できます。
(3,000万円×6分の1)×1.4%=7万円
住宅用地の課税額は、7万円となります。

駐車場の場合

<前提条件>土地面積:200㎡ 固定資産税評価額:3,000万円 負担水準:70%以上
住宅用地ではない駐車場の場合、住宅用地の特例は適用になりませんが、負担調整措置がなされるため課税評価額が70%に軽減されます。
そこに1.4%を乗じることで固定資産税が算出できます。
(3,000万円×70%)×1.4%=29万4,000円
駐車場の課税額は、29万4,000円となります。

h3:駐車場と住宅用地を比較すると何倍?
それぞれの固定資産税を比較してみましょう。
住宅用地:7万円
駐車場 :29万4,000円
29万4,000円÷7万円=4.2倍
よって、駐車場の固定資産税は住宅用地と比べると6倍にはならず、実際は3~4倍程度になります。
このシミュレーションは土地のみの比較であり、土地以外にも建物や駐車場設備にも固定資産税がかかる点にご注意ください。

駐車場の固定資産税を安くする方法・節税対策

駐車場経営では、土地や設備の整備方法によって税負担を安くできる場合があります。
ここでは、駐車場の固定資産税を軽減するための具体的な対策をいくつか紹介します。

住宅用地と一体利用する

駐車場を住宅用地と一体利用することで住宅用地の特例が適用になる場合があります。
駐車場として利用している土地を賃貸アパートやマンションなどの住宅と繋げ、住宅用地の敷地として利用することでその土地が住宅用地の特例の対象となります。
ただし、住宅として機能していない部分や、完全に独立した月極駐車場などは特例の対象外となるため、注意が必要です。

駐車場設備の費用を150万以内に抑える

h3:駐車場設備の費用を150万以内に抑える
固定資産税は土地だけでなく、駐車場経営に必要な設備にも発生します。
駐車場設備の費用が150万円を超えると、固定資産税の一種である償却資産税を支払わなければなりません。
償却資産税がかかる主な設備は以下の通りです。

  • アスファルト舗装
  • フェンス
  • 車止め
  • 屋根
  • 照明
  • 看板
  • 精算機
  • ロック板
  • センサー
  • 防犯カメラ

機械式駐車場では多くの設備が必要になるので特に注意が必要です。
駐車場の設計段階で150万円を超えそうであれば、設備の見直しや一部を月極駐車場にするなどして、償却資産税の発生を防ぎましょう。

一括償却資産を適用する

設備費用の合計が150万円を超える場合でも、一定の要件を満たせば「一括償却資産」を適用できる場合があります。
一括償却資産とは、「取得価額が10万円以上20万円未満の償却資産は、取得価額を3年間で均等償却できる」制度のことです。
この制度が適用できる資産は、取得価額の3分の1ずつ計上できるので、償却資産税の課税対象外となります。
例えば、1つ10万円の設備を15個購入した場合、合計取得価額は150万円になります。
これらがそれぞれ10万円以上20万円未満の資産に該当し、一括償却資産の適用要件を満たす場合には、取得価額の合計額を3年間で均等に経費計上することが可能です。
その結果、3年間にわたり50万円ずつ計上できるので、償却資産税が発生せず節税することができます。

砂利舗装を検討する

駐車場を整備する際、地面をアスファルトで舗装するか、砂利敷きにするかで税金が変わる場合があります。
アスファルト舗装は「構築物」として償却資産税の課税対象になりますが、砂利敷きの場合は土地の一部とみなされ、償却資産税の対象外となるケースが一般的です。
もちろん、砂利敷きは雑草対策や見栄えの面でアスファルトに劣る場合もありますが、初期費用を抑えられるだけでなく、償却資産税の免税点(150万円)をクリアしやすくなるメリットがあります。
土地の形状や予算に合わせて、舗装の方法を検討することも有効な節税対策の一つです。

固定資産税に控除はある?

固定資産税には所得税のような控除制度はありません。
しかし、住宅用地の特例や各種税制優遇措置によって課税標準額が軽減される場合があります。
そのため、駐車場経営を行う際には控除だけでなく、軽減措置の有無を確認することが重要です。
また、更地や月極駐車場であっても固定資産税がかからないわけではありません。
土地を所有している限り、固定資産税は原則として発生するため、事前に税額を確認しておくことが重要です。

固定資産税の確認方法

所有している土地の固定資産税は以下の方法で確認できます。

固定資産税納税通知書を確認する

固定資産税納税通知書は、多くの市町村で毎年4月から5月にかけて納税義務者に送付される書類です。
この通知書には、課税対象となる固定資産の種類(土地、家屋など)、それぞれの固定資産税評価額、課税標準額、そして年間の固定資産税額が詳細に記載されています。都市計画税が課税される地域であれば、その税額も併記されています。
納税通知書を確認することで、ご自身の固定資産税の内訳や計算根拠を把握することができます。

固定資産評価証明書を取得する

固定資産評価証明書は、固定資産課税台帳に登録されている資産価値を証明する書類です。
所有する土地の市区町村役場の窓口、もしくは郵送での取得が可能です。この証明書は、固定資産の所在地、地目(土地の場合)、種類(家屋の場合)、面積、評価額が記載されています。
固定資産評価証明書は誰でも取得できるわけではなく、納税義務者・同居家族・代理人・相続人などに限られています。また、発行には手数料がかかります。

固定資産課税台帳を確認する

固定資産課税台帳とは、市区町村が管理している固定資産の帳簿のことです。
この台帳には、土地や建物の評価額や課税内容などが記載されています。
所有している土地や建物の固定資産課税台帳は、その所在地の市区町村役場の税務課などで閲覧することができます。
ただし、閲覧できるのは原則として納税義務者本人やその関係者に限られており、手数料がかかる場合もあります。

固定資産税路線価から試算する

駐車場経営のために土地の購入を検討している場合、固定資産税路線価からおおよその税額を試算することが可能です。
インターネット上で提供されている全国地価マップなどのサービスを利用すれば、土地が面する道路の路線価を調べることができます。

調べた1平方メートルあたりの価格に土地の面積を掛けることで、おおよその評価額を算出できます。
駐車場を始める前に税金がいくらになるか目安を把握しておくことで、より正確な収支計画を立てられるようになります。

土地を駐車場に活用するメリット

固定資産税の負担が住宅用地よりも大きくなる傾向がある一方で、駐車場経営は土地活用の手段として根強い人気を集めています。
税金の負担を考慮してもなお選ばれるのには、特有の魅力が存在するためです。
ここでは、所有している土地を駐車場として活用する際の代表的なメリットについて紹介します。

初期費用を安く抑えられる

アパートやマンションを新築して賃貸経営を始める場合、多額の建築費用や準備資金が必要になります。
しかし駐車場経営であれば、大掛かりな建物を建設する必要がないため、初期費用を大幅に抑えて事業を始めることができます。

例えば100坪程度の土地であっても、アスファルト舗装やコンクリート舗装を行わず、ロープや砂利敷きのみの簡易的な設備にとどめることで、準備にかかるコストを最小限に抑えることが可能です。
手元に多額の資金がなくても始めやすい点は、駐車場経営の大きな魅力です。

条件の悪い土地でも経営できる

住宅を建てるには不向きな土地であっても、駐車場としてなら有効に活用できる可能性があります。
面積が狭い狭小地や、形が不規則な変形地の場合、建物を設計して建設することが難しく、賃貸住宅の経営には適していません。

しかし駐車場であれば、車が安全に出入りできるスペースさえ確保できれば、どのような形状の土地でも収益を生み出すことができます。
立地条件や土地の形状に左右されにくく、柔軟に運用できる強みを持っています。

狭い土地での駐車場経営については「20坪の土地でコインパーキングを成功させるには」で詳しく紹介しています。

自宅の庭を駐車場として活用する方法

住宅の建て替え予定がない場合や、使用していない庭がある場合は、駐車場として活用する方法もあります。
特に住宅地では月極駐車場の需要がある地域も多く、自宅の庭の一部を貸し出すことで収入を得られる可能性があります。
ただし、住宅用地の特例への影響や車両の出入りに伴う安全面については事前に確認しておくことが大切です。

別の用途へスムーズに転用できる

将来的に土地の使い道を変えたくなった際、他の活用方法へ簡単に切り替えられる点も大きなメリットです。
建物が存在する土地の場合、更地に戻すためには高額な解体費用と長い工期が必要になります。

一方で、1階部分の平面的な利用にとどまる駐車場であれば、設置した精算機などの設備を撤去するだけで、すぐに元の更地に戻すことができます。
借地借家法が適用されないため、利用者との契約解除も比較的スムーズに行うことができ、状況に合わせて柔軟な土地運用が可能です。

関連記事:空き地を駐車場にするメリットとは?収益化・管理方法・注意点を解説

駐車場経営では固定資産税と収入のバランスが重要

駐車場経営では固定資産税の負担だけでなく、駐車場から得られる収入とのバランスを考えることが重要です。

固定資産税が高い土地であっても、周辺の駐車場需要が高く安定した収入が見込める場合には、十分な収益を確保できる可能性があります。
反対に、利用率が低いエリアでは税負担が収入を圧迫することもあるため、事前の収支シミュレーションが欠かせません。
駐車場経営を検討する際は、固定資産税や都市計画税などの支出だけでなく、想定される収入や稼働率も含めて総合的に判断することが大切です。

固定資産税は租税公課として経費計上できる

個人事業として駐車場経営を行っている場合、固定資産税や都市計画税は租税公課として必要経費に計上できます。
そのため、実際の税負担を考える際には、支払った税金だけでなく経費処理による節税効果も考慮することが大切です。

まとめ

駐車場経営は土地活用の中でも始めやすい方法ですが、住宅用地と比べると固定資産税が高くなる傾向があります。
ただし、住宅用地の特例や負担調整措置の仕組みを理解することで、実際の税負担を正しく把握することができるでしょう。
また、住宅用地との一体利用や設備投資の工夫によって、税負担を軽減できる場合もあります。

土地活用として駐車場経営を検討している方は、収益だけでなく固定資産税や都市計画税も含めてシミュレーションを行い、最適な活用方法を選択しましょう。

駐車場の固定資産税は住宅用地と比べると負担が大きくなりますが、駐車場経営には「初期費用を抑えやすい」「狭小地や変形地でも活用しやすい」など、多くのメリットがあります。

ユアー・パーキングでは、土地の状況や周辺環境を踏まえた最適な活用方法をご提案しています。
土地活用や駐車場経営をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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