バリカーとは?コインパーキングで使われる車止めの役割と種類を解説

バリカーとは?コインパーキングで使われる車止めの役割と種類を解説

コインパーキングや商業施設の駐車場などで、車の進入を制限したり安全を確保したりするために使われている「バリカー」。
普段何気なく目にする設備ですが、その役割や種類を詳しく知っている方は少ないかもしれません。

この記事ではバリカーの意味や定義をはじめ、駐車場での用途、設置目的、種類、コストなどをわかりやすく解説します。
土地オーナー様や駐車場運営をご検討中の方、安全対策に興味のある方にとって役立つ情報をお届けします。

バリカーとは?基本的な役割と定義

バリカーとは、私たちの生活空間の中でも駐車場や歩道、商業施設などでよく目にする設備のひとつです。
車両の進入や通行を制限したり、建築現場や商業施設などで歩行者の安全を確保するために設置されることも多く、その形状や設置方法にもいくつかの種類があります。
この章では、バリカーの基本的な定義や語源などについて詳しく解説します。

バリカーの定義と語源

バリカーとは、主に車両の侵入を制限するために設置される金属製の柱状構造物のことを指します。
語源は英語の「バリケード(barricade)」と「カー(car)」を組み合わせた和製英語で、直訳すると“車の障害物”です。
主に公共施設や商業施設、駐車場などで目にする設備で、地面から垂直に突き出た金属ポールが特徴です。

コインパーキングにおけるバリカーの役割

無人管理が基本のコインパーキングでは、バリカーは次のような重要な役割を担います。

・駐車区画の区切りと誘導:車両の正しい駐車を促し、スペースを有効に活用。
・不正駐車や逆走の抑止:侵入経路に物理的な制限を加えることで、不正利用を防止。
・歩行者エリアの保護:歩道や建物への接近を防ぎ、事故を予防。
・景観の整備・視認性向上:視覚的にスペースを整理し、利用者に安心感を与える。

特に無人運営が主流のコインパーキングでは、バリカーがトラブルを未然に防ぐ「静かな管理人」として機能しています。

他の車止め設備との違い

車止め設備にはさまざまな種類がありますが、バリカーは主に「垂直に立てる構造」が特徴です。

たとえば、タイヤ止めブロックやロック板は、車両のタイヤを物理的に止めることで機能しますが、バリカーは「車両の進入そのものを防ぐ・エリアを区切る」という点に特化しています。

設置目的と役割が明確に異なるため、併用されることも多いです。

バリカーと混同されがちな車止め設備には、次のようなものがあります。

種 類主 な 用 途構 造 の 違 い
車止めブロック駐車時に車輪を止める地面に低く設置
ロック板精算前の車両移動を
防止
地面から出る自動装置
バリカー車両の進入制限・誘導垂直の柱状構造、
物理的障害

バリカーの主な種類と特徴

バリカーには、設置方法や用途に応じていくつかの種類があります。以下に主な分類をご紹介します。

固定式バリカー

地面に埋設されており、移動や取り外しができないタイプのバリカーです。
・耐久性に優れ、長期間の設置に適しています。
・公共施設、学校、官公庁の周辺などで多く見られます。
・車両の進入を恒久的に制限する場合に選ばれることが多いです。

脱着式(着脱式)バリカー

地中に設置されたスリーブや金具により、必要に応じて取り外しが可能な構造を持つバリカーです。
・通常時は車両の進入を防ぎ、緊急時や搬入出時には取り外して通行可能にすることができます。
・商業施設の搬入口やイベント会場など、柔軟な運用が求められる現場で活躍します。

可動式(上下式・収納式)バリカー

地中や基礎部分に収納されたバリカーが、手動または電動で上下に可動する構造になっているタイプです。
・駐車場の出入口に設置されることが多いです。
・利用者の出入りに応じて昇降することで利便性とセキュリティを両立します。
・電動式は操作性が良い反面、初期コストやメンテナンス費用が高くなる傾向があります。

デザインバリカー・景観対応型バリカー

街並みや施設の雰囲気に溶け込むよう、意匠性を高めたバリカーです。
・木目調、石材風、植栽付きなど、景観と調和したデザインが採用されています。
・公園や観光地、商業施設のエントランスなどに適しています。
・景観条例への対応やブランドイメージ向上を目的とする場合に選ばれます。

バリカーが活用されるシーンと設置目的

バリカーは、単なる車止めにとどまらず、さまざまな目的やシーンで活用されている設備です。
設置場所によってその役割は異なり、不正駐車の防止や歩行者の安全確保、通行の誘導、防犯対策など、多岐にわたります。
また、公共施設や商業施設だけでなく、私有地の境界を明確に示す目的でも設置されることがあります。
ここでは、バリカーが具体的にどのような目的で使用されているのか、代表的な活用例を挙げて解説します。

①コインパーキングでの不正駐車防止

コインパーキングに設置されるバリカーは、自動車の進入・衝突防止や通行制限、安全確保など、様々な目的で使用されます。
また、無断駐車や契約外利用の防止にも役立ちます。
バリカーは出入り口に物理的な障害物として配置され、利用者以外の侵入を防ぎ、トラブルを抑止する効果を発揮します。

②歩行者の安全確保・通行誘導

バリカーは、歩行者と車両の動線を分離することで安全性を確保します。
特に子どもや高齢者が多く集まる場所では、事故のリスクを軽減する重要な役割を果たします。

③防犯・車両侵入防止対策

深夜の不正侵入や車両を使った盗難・破壊行為に対する防犯設備としてもバリカーは効果的です。
防犯カメラや照明と組み合わせて、犯罪を未然に防ぐための防御ラインを形成します。

④施設・私有地での境界明示

バリカーは、敷地の境界を明確にし、無断立ち入りを防ぐ目的でも利用されます。
視覚的・物理的に管理エリアを示すことで、トラブルの回避や管理コストの削減につながります。

バリカーの設置に関する注意点

バリカーを設置するには、地中の配管(電気・ガス・上下水道)や既存インフラとの干渉がないかを事前に確認する必要があります。
施工時には専門業者による地中調査が求められ、設置可能な場所を正確に見極めることが重要です。

設置場所の制限や地中工事の有無

バリカーを設置するには、地面の構造や周辺のインフラ設備の位置を事前に確認する必要があります。
地中に電気・ガス管などがある場合は施工方法が制限されるため、専門業者の調査が必須です。

バリカーの材質(スチール・ステンレスなど)

バリカーは屋外設置が主となるため、耐久性やメンテナンス性を考慮した材質選びが欠かせません。
代表的な材質は以下の通りです

スチール製:コストが比較的安価で強度も高く、塗装によりサビ対策が施されています。
ステンレス製:サビに強く、メンテナンス性に優れますが、価格はやや高めです。

メンテナンス・交換頻度の目安

バリカーは定期的なメンテナンスが必要です。
特に可動式や電動式は、内部機構のチェックや潤滑剤の補充が欠かせません。
塗装の劣化や部品の摩耗を放置すると、安全性が低下するため、年1回程度の点検と5~10年ごとの交換が目安です。

コインパーキング事業者にとってのバリカーの重要性

バリカーは、コインパーキングの利用者にとっては「車止め」や「安全設備」として認識されがちですが、事業者側にとっては、それ以上に多くの役割を果たす重要な設備です。
トラブルの防止や運営効率の向上、施設全体の印象づくりにおいてもバリカーは大きな効果を発揮します。
ここでは、コインパーキング事業者にとってバリカーがどのような点で重要なのか、主な3つの観点から解説します。

利用者の安心感と信頼性の向上

しっかりと整備された駐車場は、利用者からの信頼を得やすくなります。
特に女性や高齢者にとって、「安全に駐車できる場所」であることは、再利用の判断に大きく影響します。
バリカーの存在は、その安心感を具体的に示すものとなります。

トラブル防止による運営効率化

不正駐車や接触事故といったトラブルを未然に防ぐことで、クレーム対応や修繕対応にかかる労力とコストを削減できます。
バリカーはこうした管理業務の効率化にも貢献し、長期的には利益確保にもつながります。

景観への配慮とブランディング効果

デザイン性の高いバリカーを導入することで、駐車場全体の印象が向上します。
企業や施設のイメージアップにつながり、リピーター獲得や評判形成にも寄与します。
地域住民との良好な関係を築く上でも有効でしょう。

バリカーの導入コストと価格相場

【バリカーの種類別価格帯(目安)】

種 類価 格 帯(1本あたり)
固定式約1万〜2万円
脱着式約2万〜4万円
可動式(手動)約4万〜7万円
可動式(電動)約10万〜20万円以上
デザイン型デザインにより変動
(2万〜10万円以上)

※価格は目安であり、仕様・メーカーにより異なります。

施工・設置費用の概算

バリカーの設置には、本体価格に加えて施工費が発生します。
バリカーの本体価格は数千円から数万円程度が相場とされていますが、素材(鉄製、ステンレス製、アルミ製など)やサイズ、デザインによって異なります。
高級な素材やオーダーメイドの場合はさらに高額になることもあります。
また、施工費は設置場所や工事内容によって異なり、一般的には数万円から数十万円程度が相場とされています。
複雑な工事や追加工事が必要な場合は、さらに費用がかかることがあります。

例えば、1本のバリカー設置で約50,000円から数十万円の費用がかかるケースや、チェーンポールの場合、材料費と工事費を合わせて1本あたり23,000円〜32,000円程度が相場という情報もあります。

施工費用は、地盤の状態や舗装工事の有無、交通誘導の必要性などにより変動します。
埋め込み式の場合、地面を深く掘る必要があるため、設置費用が高くなる傾向があります。
硬い地盤や特殊な設置環境、オーダーデザインや塗装仕様、安全対策の追加施工なども追加費用が発生する要因となります。

正確な費用を知るためには、複数の業者から見積もりを取ることが重要といえるでしょう。

補助金・助成制度の有無

地域によっては、防犯やバリアフリー化を目的とした設備投資に対して補助金や助成金制度を設けている場合があります。
自治体によって支援内容は異なるため、導入を検討する際には事前に市区町村の窓口で確認することをおすすめします。

まとめ:バリカーの設置は安全性・効率性・信頼性を高める重要な施策!

バリカーは、車両の侵入防止や通行誘導といった基本的な役割にとどまらず、歩行者の安全確保や不正駐車の防止、さらには施設全体のブランディングにも寄与する重要な設備です。
特にコインパーキングにおいては、利用者の安心感を高め、トラブルを未然に防ぎ、運営の効率化を実現するなど、事業者にとって多くのメリットがあります。
無人運営が多い駐車場においては、「目に見える安心」としての存在価値が高く、利用者・運営者の双方にメリットをもたらすでしょう。

設置場所や目的に応じた適切なバリカーを導入することで、安全で信頼性の高い駐車場運営が可能になります。
これから駐車場の整備や改善を検討している事業者の方は、バリカーの活用をひとつの有効な選択肢として、ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

弊社では、コインパーキングの開業支援・設備選定・運営サポートまで幅広く対応しております。
コインパーキング開設に必要な土地の整備や設備機器・看板の設置・電気代などの費用は全てユアー・パーキングが負担します。

どんなご相談も無料で承っておりますので、どうぞお気軽にお問合せください。

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