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無断駐車に対する正しい対処法とは? 予防法や法律も併せて解説
マンション、アパートの駐車場や敷地内に、無断で車やバイクを停められて困っているという経験はないでしょうか。
無断駐車や迷惑駐車はさまざまなトラブルを引き起こす原因にもなりかねません。
当記事では、無断駐車をされたときの対処法や効果的な防止策をご紹介いたします。
対策する際に知っておきたい注意点なども詳しく解説していきますので、不安やストレスを感じることなくトラブルを回避できるようぜひ最後までご覧ください。

無断駐車とは何か
無断駐車とは、土地の所有者や管理者の許可を得ずに勝手に車を駐車する行為をさします。
この行為は、他人の権利を侵害する「不法行為」として法律的に扱われることがあり、特に駐車場を運営している方やマンション・アパートの所有者にとっては大きな問題となります。
公道での無断駐車は道路交通法に違反するため、駐車禁止の標識がある場所や、車庫の出入り口の前などに車を停める行為などが発生した場合、駐車違反や駐停車違反と見なされ、警察に通報すれば取り締まりの対象となり強制的に車を移動させることが可能です。
駐車場内での無断駐車の場合は、放置すると駐車場全体のセキュリティ意識の低下を招き車両盗難や車上荒らしといったトラブルや他の犯罪を誘発するリスクも高まってしまうため注意が必要です。
無断駐車と違法駐車について
前述したように無断駐車とは、その土地の所有者や管理者の許可なく、勝手に車を停める行為の事をさし、法律的に不法行為とみなされます。
一方、違法駐車は法律や条例に違反して駐車する行為をさし、具体的には道路交通法の第9節、44条と45条が該当します。
例えば駐車禁止エリアや時間制限のある場所に停めたり、指定の駐車方法に従わない場合などがそれにあたりこの場合には法的な制裁、罰金や駐車違反切符の発行が伴う可能性があります。
道路標識や表示物が違反の根拠となり、取り締まりの対象となるのが特徴です。
【道路交通法(第44条、第45条)で駐車禁止になっている場所(例)】
1.禁止標識のある道路
2.交差点、横断歩道、勾配の急な坂
3.交差点又は道路のまがりかどから五メートル以内
4.横断歩道から五メートル以内
5.乗合自動車の停留所十メートル以内
6.車庫の出入口から三メートル以内
7.消防用機械器具、防火水槽、消火栓の五メートル以内
【自動車保管場所確保法(第11条)で禁止されている駐車時間】
1.12時間以上の駐車
2.夜間、8時間以上の駐車
※上記の場所、時間での駐車は法律で禁止されており、違反すると罰則があります。
無断駐車車両の法律上の扱い
私有地への無断駐車は違法行為に思われがちですが、その法律上の扱いは複雑で、直ちに刑罰の対象とならない場合もあり、判断が難しい側面があります。
私有地の無断駐車は民法上の不法行為に当たる
一般的に私有地への無断駐車は、民事上の問題として扱われます。
警察に通報して加害者の取り締まりなどをお願いしても、民事不介入の原則によって積極的な対応を期待するのは難しいのが実情です。
公道での違法駐車であれば道路交通法違反に問える可能性がありますが、私有地では道路交通法が適用されないため、法的に強制力のある措置をただちにとることは難しいのです。
刑法に抵触する可能性があるケース
上記のように、私有地への無断駐車は基本的に民事上の問題として扱われますが、場合によっては警察の介入が必要となるような刑法上の犯罪行為に当たる場合もあります。
たとえば、無断駐車している車両が邪魔で仕事用の車などが出庫できず業務に支障や損失が生じた場合などです。
この場合は、刑法第234条に定められている「威力業務妨害罪」に該当する可能性があります。
また、無断駐車された私有地が住宅を囲む塀の中などにある場合は、刑法第130条「住居侵入罪」で告訴することが可能です。
住居侵入罪といえば、家の中(屋内)への不法侵入を想定しがちですが、過去の判例の中には、建物と一体となって塀で囲まれた敷地も「建物の一部」と見なしたケースもあります。
私有地への無断駐車といえば公道に対して開けた駐車場や、目の届きにくい自宅から一定の距離がある駐車場でされる事が多くありますが、このような多数派のケースでは、残念ながら住居侵入罪は成立しないと考えられます。
したがって、無断駐車が刑事事件として扱われるケースはゼロではないものの、民事で扱われるのが一般的といえるでしょう。

無断駐車されたときの対処法と注意点
無断駐車された際の対応は状況によって異なりますが、発見次第迅速かつ適切な対応をとる事が重要といえるでしょう。
例えば、警告の張り紙による注意喚起も有効ですが、剥がれにくい方法で貼るなどの工夫が必要です。
悪質な場合は警察に通報することも可能ですが、ご紹介した通り私有地での無断駐車は公道とは異なり、道路交通法などの法律が直接適用されないため、警察が民事不介入の原則により対処することが難しい場合があります。
私有地への無断駐車は、一般的に民法に基づく不法行為として扱われ、駐車場の所有者が自分で車を移動させた場合、移動を行った所有者が「自力救済」という不法行為を行ったことになってしまうため注意が必要です。
自力救済とは、自分の権利を侵害された際、公権力の力を借りずに実力行使でその権利を回復しようとする行為のことです。これには、持ち主に無断で車をレッカー移動させたり、車のタイヤをロックしたりすることも含まれますので注意しましょう。
管理会社への連絡
マンションやアパートの敷地や駐車場で無断駐車を発見した場合、まず始めに行うべき対応は管理会社への連絡です。
無断駐車があった証拠、車の特徴を控えたら、速やかにオーナー・管理会社に連絡し状況を伝えましょう。
以下の情報のメモをとり、写真や動画などで記録する事も有効なのでおすすめです。
・無断駐車が確認された日時
・区画番号が写った写真
・車両全体の写真
・ナンバープレート
車両の車種や色、ナンバープレートなどの情報を正確に伝えることにより、管理会社が契約者に確認を取り場所の間違いであれば速やかに問題を解決できる可能性があります。
また、管理会社に連絡することでその後の適切な対処法について指示を受けることもできます。
警告の貼り紙を検討する場合でも、管理会社の許可を得て行うことが望ましいといえるでしょう。
警告の張り紙
無断駐車車両への警告として、張り紙は有効な注意喚起の方法の一つです。張り紙には無断駐車である旨を明確に記載し、速やかに移動するよう伝えましょう。ただし、「罰金〇〇円」といった金銭を要求する記載には法的な効力がなく、かえってトラブルの原因となる可能性があるため注意しましょう。
また、張り紙を車体に直接テープなどで貼り付けると、塗装を傷つけるなどのトラブルに発展する可能性があります。
ワイパーに挟むなど、車を傷つけない方法で実施することが重要です。
警察に通報
私有地での無断駐車は、基本的に民事不介入の原則により、警察が積極的に介入することは難しいのが現状です。
しかし、不審車両である場合や、車の移動を求める際に所有者が明らかでない場合などは、警察に情報提供として通報することで、盗難照会や所有者の特定に協力してもらえる可能性があります。
また、無断駐車によって業務に著しい支障が出ている場合や、何度も繰り返し無断駐車されている場合など状況に応じて警察が対応を検討することもありますのでまずは警察に電話し状況を正確に伝え、相談してみると良いでしょう。
車の所有者を特定し内容証明を送る
無断駐車が繰り返される場合、車の所有者を特定し、直接解決を試みる方法があります。
特定するには、まず無断駐車の証拠として、車両全体、ナンバープレート、駐車場所がわかる写真を複数撮影します。
次に、普通自動車の場合は運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会に情報開示請求を行います。
この手続きには無断駐車されている場所の図面や期間を記載した書類が必要になり特定した所有者に対し、内容証明郵便を送付することで、無断駐車による損害賠償請求を行う意思を明確に伝えられます。
内容証明は、郵便局が送付した事実を証明するもので、その後の法的手段を検討する上で有効なものです。
損害賠償請求
内容証明を送っても相手が応じない場合などは弁護士に次の手段を相談するという方法もあります。
弁護士を立てることで自力救済と見なされず、相手と交渉をしたり無断駐車によって生じた損害、例えば本来得られたはずの駐車料金相当額などを請求できるなど、損害賠償請求の訴訟を起こすことも可能になるでしょう。
弁護士に相談し適切なアドバイスやサポートを受けることが推奨されますが、費用や時間もかかるため、負担を伴っても行うか否か、慎重に検討しましょう。
無断駐車を未然に防ぐ方法
月極駐車場など、私有地での無断駐車をなくすためには、事前の対策が重要です。
無断駐車を予防する方法としては、注意喚起のための看板設置、物理的な障害物の設置、防犯カメラの活用などが挙げられます。
これらの対策を講じることで、無断駐車を抑制し、トラブルを未然に防ぐことが期待できますので看板には無断駐車禁止の意思表示を明確に記載し、視認性の高い場所に設置するようにしましょう。

注意喚起のための看板設置
無断駐車を未然に防ぐために効果的な注意喚起のための看板設置についてですが、特に月極駐車場では、契約者専用であることを明記し、「無断駐車禁止」の意思表示を明確にすることで、第三者の駐車を抑制できる事があります。
看板には「発見次第警察へ通報します」「無断駐車を発見次第、損害賠償請求等の法的措置を講じます」といった内容の警告のメッセージを含めることも効果を高めますので、視認性の高いデザインや、駐車場の入り口や目立つ場所など設置場所を選ぶことも重要です。
物理的な障害物の設置
駐車スペースにコーンやチェーンを設置することは、無断駐車を物理的に防ぐ有効な手段です。
これにより、車両の進入を困難にさせ、無断駐車を思いとどまらせる効果が期待できます。
空き区画には積極的に設置する事が望ましいですが、月極駐車場などで契約者がいる場合は入出庫のたびに障害物を移動させる手間が発生するため、事前に契約者への説明や理解を得てから行うようにしましょう。
防犯カメラの活用
防犯カメラの設置は、無断駐車対策として非常に有効な手段です。
カメラが設置されていることを視覚的に示すだけで、「見られている」という心理的なプレッシャーを与え、無断駐車を思いとどまらせる抑止効果が期待できます。
また、実際に無断駐車が発生した場合でも、録画された映像は車両の特定や警察への証拠提出に役立ち、問題解決の迅速化に繋がるでしょう。プライバシーに配慮しつつ、効果的な場所に設置することが重要となります。
専門の管理会社への委託
無断駐車への対策として、専門の管理会社に委託することも有効な手段です。
管理会社は駐車場の管理業務を専門としており、無断駐車への対応ノウハウを持っているため警告書の掲示や警察への連絡など、オーナーに代わって適切な対処を行ってくれるでしょう。
また、管理が行き届くことで、無断駐車の抑止力にもつながります。そのため、オーナー自身で対応する時間や手間を省き、精神的な負担を軽減できる点も大きなメリットと言えるでしょう。
他にもある無断駐車対策
無断駐車に対して効果的な対策方法として時間貸しのコインパーキング形式を導入することも一つの方法です。
駐車場の利用管理がしやすくなり、無断駐車のトラブルを軽減する効果が期待できるでしょう。
また、精算機やロック板などの設備があることで、無断駐車への物理的な抑止力となり防犯カメラの設置も併せて行うことで、さらに効果を高めることも期待できます。
駐車場経営に関するご相談はユアー・パーキングまで!
無断駐車による様々な問題は、適切な対策を講じることで大幅に減らすことができます。
予防策を講じたり、専門会社に管理を委託したりすることで、無断駐車を抑制しトラブルを未然に防ぐことが期待できます。
ユアー・パーキングは駐車場のコンサルティング、運営、管理・メンテナンスを事業としており、多数の実績とノウハウを持っています。
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