駐車場経営は儲かるの?基礎知識やメリット・デメリットを解説!

土地活用の方法として人気を集めている「駐車場経営」。
特に都市部では車の保有台数や来訪者が多く、月極駐車場やコインパーキングの需要が高まっています。
その一方で、「駐車場経営は本当に儲かるのか?」「場合によっては儲からないのでは?」と疑問を持つ方も少なくありません。

実際、駐車場経営は立地条件や運営方式によって収益性が大きく変わります。
好条件の土地では安定した利益を得られる一方、需要の少ないエリアでは想定より収益が伸びず、儲からないケースもあるのです。
この記事では、駐車場経営の基礎知識や収入モデル、メリット・デメリットを整理しながら、どのような場合に「儲かるのか」、逆に「儲からないのか」をわかりやすく解説します。
これから駐車場経営を検討する方は、ぜひ参考にしてください。

駐車場経営は儲かるのか?

駐車場経営は、土地を有効活用する方法の一つで、条件によっては利益を出せる可能性があります。ただし、土地の利用効率があまり高くないため、大きなリターンを期待するのは難しいかもしれません。
しかし、すでに所有している土地や自己資金で購入した土地がある場合は、初期投資を抑えられるため、その分収益を得やすいメリットがあります。
また、駐車場は需要が根強く続いている点も魅力です。例えば、コインパーキングの数は2007年と比べて2020年に約2.8倍、車室数は約2.3倍に増えています。しかし、2020年時点の自動車保有台数は約8,100万台に対し、コインパーキングの車室数は約161万車室にとどまっており、まだまだ供給不足といえる状況です。
ただし、コロナ禍の外出自粛で一時的に利益が前年の50〜60%に減少しましたが、最終的には前年の90%程度まで回復する見込みです。

参考:一般社団法人日本パーキングビジネス協会「コイン式(時間貸)自動車駐車場市場に関する実態分析調査2020年版」

駐車場経営の年収・収入モデル・メリット

駐車場経営で得られる年収は、運営形態や立地条件によって大きく異なります。
一般的に「月極駐車場」と「コインパーキング」では収益構造が異なるため、それぞれの特徴を理解することが重要です。
ここでは、それぞれの収入モデルやメリットについて解説します。

月極駐車場経営

月極駐車場は、契約者から毎月の固定料金を受け取る方式です。
安定収入が得られるのが特徴で、長期契約を結べば空車リスクを抑えることもできます。

例えば、1台あたり月額15,000円、10台分の駐車場が満車で稼働した場合、月収は15万円、年収にすると180万円となります。地方都市では1台あたり5,000円〜10,000円程度、都市部の好立地では20,000円以上で貸し出せるケースもあり、収益性はエリアによって大きく変わります。
また、管理の手間が比較的少ないため、サラリーマンの副業として土地を活用したい方にも向いています。
ただし、空きが出るとその分の収入はゼロになるため、需要の安定した立地を選ぶことが重要といえるでしょう。

月極駐車場のメリット

月極駐車場のメリットは、以下の2点です。

① 低予算で始めやすい
月極駐車場は未舗装の砂利敷きであっても、区画することにより駐車場として活用ができます。
その場合の初期費用は整地作業費や区画作業費のみとなるため、あまり費用をかけられない方に向いているでしょう。
舗装などを追加すると、初期費用としてアスファルト舗装工事費や車室工事費がかかるため、まずは専門業者へ相談するとよいでしょう。

② 契約者が埋まれば安定した収入が得られる
月極駐車場では利用者と契約を結ぶため、コインパーキングのように駐車場の稼働状況による売上の変動が少ないことが特徴です。そのため、毎月安定した収入が得られるメリットがあります。
ただし、駐車場の契約が埋まらないと、その分の収益は減ってしまいます。
また、契約していない人が勝手に駐車してしまう「不正利用のトラブル」も珍しくありません。
トラブルが起こると、契約者に迷惑がかかるだけでなく、解約につながるおそれもあるため不正利用に対する罰則を明記した看板や防犯カメラの設置など、対策を講じる必要があるでしょう。

コインパーキング経営

コインパーキングは時間貸の駐車場であり、利用状況に応じて収入額に変動があります。
短時間利用や回転率の高さによって収益が変動するのが特徴です。

例えば、1台あたり1時間300円、1日平均8時間稼働、30日稼働した場合、月収の目安は一般的に3万円から6万円程度とされていますが、立地や稼働率によっては、1台あたり月収72,000円、10台で月収72万円、年収864万円といった高収益が期待できるケースもあります。ただし、稼働率が低い立地では想定よりも収益が下がるリスクもあります。コインパーキングの収益は、立地、料金設定、駐車台数、稼働率に大きく左右されます。特に稼働率は収益に大きな影響を与えるため、事前の市場調査が重要です。
また、コインパーキングの場合は精算機やゲートといった設備などに、導入費用だけでなく維持費もかかるため、注意が必要です。
運営委託方式を選べば初期費用を抑えられる一方、利益は分配されるため手取り額は少なくなる傾向があります。副業レベルではなく、本格的に土地活用で収益を上げたい方に向いているケースが多いでしょう。

コインパーキングのメリット

コインパーキングのメリットは以下の2点です。

① 料金設定の工夫で収益性が期待できる
コインパーキングの料金設定は、場所や周辺の駐車場によって料金相場が形成されています。
基本的には、相場額に合わせて設定することが重要ですが、最大料金や夜間料金などを工夫することで、周辺の競合コインパーキングとの差別化を図ることが可能です。競合調査を行い、利用者のニーズに合った適切な料金設定をすることで、利用者数の増加や収益性の向上につながる可能性があります。ただし、周辺相場からかけ離れて高額な料金設定にした場合、利用者が減少する可能性も考慮する必要があります。

②小規模な土地でも開始できる
保有する土地が狭い場合でも、車1台分のスペースがあれば、コインパーキングの経営を検討できます。特に、駅前や観光地など、駐車場が不足しているエリアでは、駐車場を探している車が多く、1台分のスペースでも土地活用として有効な場合があります。ただし、小規模なコインパーキングは初期投資を抑えられるメリットがある一方で、高額な収益を継続的に得ることは難しい場合もあります。
コインパーキングは月極駐車場とは異なり、毎月固定の利用者が存在するわけではないため、月によって収入が変動する点は注意が必要です。周辺のコインパーキングと比較して不適切な料金設定にすると、利用者は減ってしまう可能性があります。安定した利用を促すためには、継続的な市場調査が求められます。

駐車場経営の4つのメリットと2つのデメリット

次に、駐車場経営に複数あるメリットとデメリットについてこちらでは主なメリットを4つと主なデメリットを2つご紹介します。

メリット①「低リスク・低コストで始められる」

駐車場経営が土地活用として有効活用できる理由は、建物を建てる必要がなく少ない初期費用で始められ、投資リスクを抑えられる点にあります。
また、人が生活する賃貸アパートの経営などと比較すると、毎月かかる管理費や修繕費などのコストが比較的安いところも魅力です。

メリット②「狭い土地でも柔軟に土地活用ができる」

住宅用では活用が難しいとされる狭い土地であっても、車両1台分のスペースがあれば、駐車場として運営可能です。狭い土地や複雑な形の土地であっても、駐車場であれば有効活用できるでしょう。

メリット③「災害による影響が少ない」

駐車場経営は、立体駐車場などの建物を伴う場合を除き、建物が不要なため、建物の倒壊や火災のリスクは低いと考えられます。
また、万が一、被災によりアスファルトが剥がれるなどの被害があっても、舗装工事を行えば比較的短期間で復旧できる可能性があります。
これらの点から、駐車場経営は他の土地活用と比較して、一部の災害リスクを抑えられると言えるでしょう。

メリット④「業態変更や転用が短期間でできる」

平面駐車場は建物を建てる必要がないため、他の業態への変更や土地の売却時にも比較的容易に設備を撤去でき、転用しやすいというメリットがあります。建物を建てる土地活用の場合、撤退時には解体や建て替えが必要になることもあります。そういった土地活用と比較すると、駐車場経営、特に平面駐車場の転用のしやすさは利点と言えるでしょう。

ただし、立体駐車場の撤去は、その種類や規模によって費用や工期が大きく異なります。小規模な2段式立体駐車場であれば150万円から400万円程度が目安ですが、多段式で32台収容規模になると850万円から1,500万円以上かかるケースもあります。 特に地下ピットがある立体駐車場の撤去には、埋め戻しや鋼製平面化工法が必要となり、高額な費用と時間を要する場合があります。

デメリット①「税金の優遇措置が少ない」

賃貸経営において、住宅用地に適用される軽減措置により、固定資産税や都市計画税が減額される場合があります。具体的には、アパート経営では「小規模住宅用地の特例」が適用され、住宅1戸あたり200平方メートルまでの土地部分については、固定資産税の課税標準額が評価額の6分の1、都市計画税は3分の1に軽減されます。この特例は「住宅用地の軽減措置」の一環であり、土地の上に住宅が建つことで適用される制度です。
しかし、舗装や建物のない駐車場を経営している場合、その土地は更地扱いとなるため、この優遇措置は受けられません。
駐車場経営における税制上の優遇措置は、建物を有する土地活用とは異なる場合があります。固定資産税・都市計画税の「小規模住宅用地の特例」は住宅用地に適用されるもので、駐車場は原則として対象外です。

このように、賃貸経営ほどの減額は期待できませんが、状況によっては節税が可能になるケースもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

デメリット②「物件などへの投資よりも収益性が低い」

立体駐車場などでない場合、駐車場経営は1階部分のみを利用するため、土地の利用効率が低くなります。少額投資で開始できるものの、2階以上の建物を建設する賃貸ビルやアパート・マンションと比較すると、収益性は低いといえるでしょう。
一方で、賃貸経営には最初に支払う建築工事費用をはじめ、老朽化に対する修繕工事などのメンテナンス費用が発生するデメリットがあります。

駐車場経営にかかる費用の内訳

駐車場経営にかかる費用は、主に「初期費用」と「ランニングコスト(維持費)」の2種類に分けられます。主な2種類をみていきましょう。

初期費用

駐車場を開設する際に発生する初期費用は、月極駐車場かコインパーキングかによって大きく変動します。
未舗装の月極駐車場であれば、整地や区画線引きのみで済むため、比較的費用を抑えて始められるでしょう。
しかし、アスファルト舗装を行う場合や、コインパーキングとして運営する場合は、舗装工事費や精算機、照明、看板、ロック板などの設備設置費用がかかります。
特にコインパーキングは、設備の種類や台数によって費用が大きく変動するため、事前に見積もりを取ることが重要です。
また、これら設備の導入にはまとまった金額が必要となるため、運営方式によっては初期費用を運営会社が負担するケースもあります。

ランニングコスト(維持費)

駐車場経営におけるランニングコストは、駐車場形態や運営方式によって内訳が異なります。
月極駐車場では、電気代、清掃費用、設備のメンテナンス費用などが主な項目です。
コインパーキングの場合は、精算機や照明などの電気代、通信費用、駐車券などの消耗品費、トラブル対応のための人件費、そして定期的なメンテナンス費用が発生します。
これらの費用は毎月発生するため、収益計画を立てる際には必ず考慮する必要があります。また、運営を外部に委託する場合は、委託手数料もランニングコストに含まれます。

駐車場経営の3つの方法

駐車場経営の経営方式は、個人経営方式・管理委託方式・一括借り上げ方式の3種類に分かれます。
ここからは、経営方式の仕組みを解説します。

1.個人経営方式

個人経営方式とは、初期投資からオープン後の管理運営まで、すべてオーナー様が行う手法を指します。
個人で管理・経営するため、収益はすべてオーナー様のものとなり、利益率が高い運営方法です。
一方で、運営管理の手間や高額な初期費用、毎月のコストがかかる点がデメリットに挙げられます。

・集客、料金設定、設備のメンテナンスなど全てオーナー様が行います。
・利益は全てオーナー様のものですが、その分手間とリスクも大きいです。

2.管理委託方式

管理委託方式とは、駐車場の管理を不動産会社や駐車場運営会社に委託する手法です。
この場合、駐車場運営の初期費用はオーナー様負担になります。

・集客やトラブル対応など、日々の運営は会社に任せられます。
・オーナー様は費用を負担しますが、管理の手間は減ります。
・収益は運営会社の手数料を差し引いた分がオーナー様のものです

3.一括借り上げ方式

一括借り上げ方式(一括貸し)とは、土地のオーナー様が運営委託先に土地を提供する代わりに、毎月、賃料を受け取る手法です。
一括借り上げ方式では、利用者が少ない月でも、一定の賃料を受け取れる場合があります。
毎月安定した収入が得られるため、オーナー様にとってメリットが大きいでしょう。

・オーナー様は経営の手間やリスクを負いません。
・収入は、賃料収入に限られます。

他の土地活用との収益性比較

駐車場経営は、他の土地活用と比較して、初期投資や運営コストを抑えやすいという特徴があります。
アパートやマンションなどの賃貸経営では、建設費用や維持管理費が高額になりがちですが、駐車場経営では、舗装工事や簡易な設備の設置で始められるため、比較的低リスクで参入できる点がメリットです。しかし、一般的に賃貸経営の方が土地の利用効率が高く、収益性も高い傾向にあります。駐車場経営は、限られたスペースや不整形地でも活用できる柔軟性がある一方、税制上の優遇措置が少ないため、全体的な収益性を考慮した上で、自身の土地の状況や目的に合った土地活用方法を選択することが重要です。

駐車場経営で成功するためのコツ

駐車場経営で成功するためには、需要の高い立地を選び、効果的な運営戦略を立てることが重要です。
適切な料金設定やコスト管理を行うことで収益性を高め、長期的な成功を目指せます。
これらのポイントを以下で詳しく解説します。

土地の需要を見極め最適な形態を選ぶ

駐車場経営で成功するためには、まず土地の立地条件を正確に把握し、その土地に最も適した駐車場の形態を選択することが重要です。
都市部の商業施設周辺や駅近くなど、車の利用頻度が高いエリアであればコインパーキングの需要が高く、回転率を上げることで高い収益が期待できます。
一方、住宅街やオフィス街では月極駐車場の需要が安定していることが多く、長期的な安定収入を目指せるでしょう。
また、土地の形状や広さも考慮し、効率的な区画配置や駐車台数の確保を検討する必要があります。これらの要素を総合的に判断し、適切な形態を選ぶことで、駐車場の稼働率を高め、収益性を最大化することが可能になります。

適切な料金設定で稼働率を上げる

駐車場経営において、料金設定は利用者の獲得と収益最大化に直結する重要な要素です。周辺の競合駐車場の料金相場を把握し、自身の駐車場の立地条件や設備に見合った最適な料金を設定することが稼働率向上の鍵となります。例えば、駅前や商業施設周辺など需要が高いエリアでは、時間貸しの料金を高く設定し、短時間利用での回転率を高める戦略が有効です。一方、住宅街などでは月極料金を相場に合わせて設定し、安定的な利用者確保を目指します。また、最大料金の設定や夜間料金の導入、特定の時間帯での割引など、利用者のニーズに合わせた柔軟な料金プランを導入することで、さらなる稼働率アップが期待できるでしょう。

利回りを意識したコスト管理を行う

駐車場経営において、収益性を最大化するためには、初期費用だけでなく、運営開始後にかかるランニングコストも考慮した利回り意識が重要です。精算機やロック板などの設備費、アスファルト舗装費といった初期投資だけでなく、毎月の電気代、清掃費用、設備のメンテナンス費用、さらには固定資産税などの維持管理費を正確に把握する必要があります。これらのコストを適切に管理し、稼働率と料金設定を最適化することで、収益性を高め、長期的な安定経営を目指せるでしょう。例えば、人件費を抑えるために無人管理システムを導入したり、電気代を節約するためにLED照明を採用したりするなど、様々な工夫が考えられます。

信頼できるパートナー企業を選ぶ

駐車場経営を成功させるためには、信頼できるパートナー企業選びが非常に重要です。適切な運営会社を選ぶことで、初期投資の負担軽減や安定した収益確保、そして運営業務の効率化が期待できます。特に、土地の特性や周辺環境に適した駐車場の形態を提案し、市場調査に基づいた適切な料金設定や効果的な集客戦略を実行できる企業を選ぶことが成功の鍵となります。また、トラブル発生時の迅速な対応や、法改正・税制優遇措置に関する情報提供など、多角的なサポート体制が整っているかも確認しましょう。

駐車場経営を始めるうえでの注意点

駐車場経営をするうえで注意すべき点を確認しておきましょう。これらを押さえておけば、思わぬ失敗を未然に防げるかもしれません。

立地条件によって駐車場経営に向かない場合もある

駐車場経営において、立地条件は重要な要素です。場所によっては、駐車場経営に向いていない場合もあるため注意しましょう。
一般的に駐車場経営に向いている土地は以下のとおりです。
・車や人通りが多い
・商業施設や繁華街が近くにある
・半径1km以内に駐車場のないアパートやマンションがある
上記に当てはまる立地なら利用希望者が多く存在するため、月極駐車場・コインパーキングともに空きが出にくいと考えられます。

周辺環境や相場のリサーチは必須

周辺に駐車場が多すぎると、供給が需要を上回っている状態になるため、駐車場を設置しても空車状態が続くおそれがあります。
駐車場が豊富にある場所の場合、利用者は料金が安いところを探して停めることが少なくありません。
そのため、周辺の競合駐車場の料金設定によって稼働率は変わってくるでしょう。
駐車場を設置する前に土地周辺のリサーチを行ない、設置後は周辺駐車場の料金相場を定期的にチェックすることが大切です。

まとめ

駐車場経営は、初期費用を抑えながら土地を有効活用できる魅力的な選択肢の一つです。立地や運営形態によって収益性は大きく異なるものの、適切な戦略を立てれば安定した収入を得ることも十分可能です。
特に、建物を建てるには狭すぎる土地や不整形地など、使い道に困っている土地などでもスタートできる点は大きなメリットです。一方で、税制面の優遇が受けにくい、収益性が比較的低めといったデメリットもあるため、慎重な判断が求められます。
「なるべく手間をかけずに土地活用を始めたい」「初期費用は抑えたい」という方には、一括借り上げ方式のように運営会社にすべてを任せる方法がおすすめです。ユアー・パーキングなら、初期費用ゼロ・最短2週間で収益化を目指せるうえ、トラブル対応やメンテナンスなども全てお任せいただけます。
土地の活用に悩んでいる方や駐車場経営に興味がある方は、まずはお気軽にユアー・パーキングまでご相談ください。あなたの土地に最適な活用方法をご提案いたします。

ユアー・パーキングのサービスについて詳しくはこちらをご覧ください。