駐車場経営で失敗する8つの原因と対策方法

駐車場経営で失敗する8つの原因と対策方法

駐車場経営は、土地活用のなかでも比較的小資本で始められるビジネスですが、しっかりと戦略を立てて行なわないと、経営は立ち行かなくなります。
失敗する要因をあらかじめ知っておき、失敗を未然に防ぎたいと思う方は多いでしょう。

本記事では、駐車場経営で失敗する8つの原因とそれぞれの対策を解説し、駐車場経営に関するよくある質問と回答を併せて紹介します。
つまずきやすいポイントを事前に把握し、適切な対策を講じることで駐車場経営の成功率を高め、安定した収益を目指せるでしょう。
駐車場経営に興味のある方、駐車場経営で失敗したくないとお考えの方はぜひ最後までご覧ください。

駐車場経営とは

駐車場経営とは、自身が保有する土地を駐車場として利用し、収入を得る土地活用方法です。
駐車場経営は、おもに月極駐車場とコインパーキングの2種類に分かれます。
アパート経営などの他の不動産経営に比べ、少ない初期費用で始められ、リスクも抑えられる点が魅力です。
少なくとも車両を1台停められさえすれば、地形や土地の広さに関係なく始められます。
一方で、他の不動産投資に比べて土地の利用効率が低く、収益性は低い傾向にあります。
しかし、業態変更や設備の撤去がしやすいため、他の不動産投資をするまでの暫定的な土地活用方法として向いているでしょう。

駐車場経営の詳しいメリットやデメリットは以下の記事で解説しているので、興味がある方は併せてご覧ください。
駐車場経営は儲かるの?基礎知識やメリット・デメリットを解説!
https://www.ypark.co.jp/contents/management/gains/?r=coinparking-keiei

駐車場経営の3つの経営方式

駐車場経営には、おもに以下3つの経営方式があります。

・個人経営方式
・管理委託方式
・一括借り上げ方式

それぞれメリット・デメリットが異なるので、自分の経営スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。以下で詳しく解説します。

個人経営方式

個人経営方式は、初期投資からオープン後の運営管理まで、すべて自分で行なう経営方式です。
業者への委託コストがかからず、収益はすべて自分に入るため、収益性は最も高い方法といえます。
一方で、利用客確保に向けた対策やトラブル対応も、すべて自分でしなければなりません。
収益はすべて自分に入るものの、運営管理の手間や高額な初期費用、毎月のコストがかかる点にも注意が必要です。
また、駐車場のメンテナンスや、近場に競合の駐車場ができた際の調査も継続的に必要になります。競合調査を怠ると、近隣よりも利用料金が高いなど、市場動向に合わせられなくなる可能性があります。結果として利用客が減り、収益の減少にもつながるおそれがあるでしょう。

管理委託方式

管理委託方式は、管理業者に駐車場の管理を委託する経営方式です。
毎月の管理費を支払う代わりに、集金や清掃、トラブル対応などの管理業務を任せられます。
コストはかかりますが、管理業務を業者に任せることで、自分は経営に専念できるのが大きなメリットです。
副業で駐車場経営をしたい場合や、遠方に駐車場を作る場合に向いているでしょう。
なお、この方式では一般的に、駐車場の施工管理まではオーナー様が行ない、経営を始める際に管理会社と契約するという流れになるため、初期費用がかかります。
管理会社選びで手数料やサービスの範囲、品質が大きく変わるので、見極めが重要です。

一括借り上げ方式

一括借り上げ方式は、土地を運営会社に貸して駐車場経営を一任する経営方式で、サブリースとも呼ばれます。
この方式はコインパーキングでよく見られる形態で、利用客の駐車場料金ではなく、土地の賃料を運営会社から受け取る形で収益を得ます。
設備の設置から運営まで運営会社が行なってくれるため、初期費用がかからないことと、清掃やトラブル対応などが一切不要なことが大きなメリットです。
他の方法に比べ収益性は落ちますが、毎月安定した収入が入るので、低リスクで土地を活用したい方に向いています。

駐車場経営で失敗する8つの原因と対策

続いては、駐車場経営で失敗する8つの原因とそれぞれの対策を解説します。

立地選びが悪い

駐車場経営において、立地選びは非常に重要です。
需要のない場所に駐車場をつくってしまうと、どれだけ料金設定が適切でも集客は難しいでしょう。
立地選びに失敗してしまう原因のほとんどが、事前調査の不足です。事前調査では、近くにどのような施設があるのか、競合の多寡などの調査が欠かせません。
可能な限り実際に足を運び、競合の稼働状況を自分の目で見て確認しましょう。
競合が多すぎる場所は避けたほうが良いかもしれませんが、逆に競合が少なすぎる場合は需要が少ないことが考えられます。例えば、農地の多い場所や人通りが少ない場所は、駐車場のニーズが少ないでしょう。自分が「ここに駐車場があったらうれしい」と思える場所を選ぶことがポイントです。

不適切な料金設定を行なっている

駐車料金が周辺の駐車場より高すぎると、利用客は競合に流れてしまうでしょう。逆に、安すぎても利益が残らないので、利用者のニーズや立地に合った料金設定が重要です。
料金設定をする際は、競合よりも少し安くするなどの工夫が必要でしょう。定期的に周辺の駐車場を確認し、試行錯誤を続けることがポイントです。
なお、近くに病院や工事現場があるなど、長時間の利用が見込まれる場合は長時間利用しても料金が高くなりにくくなるなどの施策も有効といえます。

競合ができた

経営開始直後は好調でも、あとから競合が現れたために、収入が落ちてしまう場合があります。競合の駐車場が自分のところよりも高い利便性を持っていたり、料金が安かったりすると、利用客はそちらに流れてしまうかもしれません。
競合ができたときは、安易に価格勝負をしないよう注意が必要です。価格を下げると収益性が落ちるため、資金繰りが厳しくなる可能性があります。
夜間あるいは、最大料金を上げるなどの値下げ以外の対策を打ちましょう。

料金の未納や事故などのトラブルが起きる

月極駐車場では特に、賃料の未払いトラブルが発生することがあります。未払いが発生した際には、料金の催促などの手間もかかるでしょう。
それでも支払いがされない場合は、車の撤去などの費用も発生するケースもあります。
さらに近年は無断駐車も大きな問題です。契約者以外が勝手に駐車すると、正規利用者からのクレームや損害賠償のリスクにつながります。
また、駐車場内での事故や近隣トラブルが発生した結果、賠償責任を負うことにもなりかねません。これらの突発的な費用や手間が積み重なり、経営が立ち行かなくなる方もいます。
このような事態を防ぐ対策としては、責任の範囲を明確にするなど契約書の内容を周到に練ること、定期的な見回りによって車の放置を予防することが挙げられます。利用客ファーストの駐車場を作り、不要なトラブルを減らすことが重要です。

空車が発生することを想定していない

空車の発生を考えないと、当初の収支計画との乖離が生じます。経営計画を立てる際は稼働率を含めて考え、楽観的になりすぎないことが重要です。
なお、稼働率の目安は駐車場の種類や立地によって異なります。一般的に、コインパーキングの平均稼働率は20~30%程度とされていますが、好立地であれば平均50%、高いところでは70%に達することもあります。また、あるシミュレーションでは、コインパーキングで稼働率35%を想定しているケースもあります。月極駐車場においては、80~95%の稼働率が理想的とされており、安定した収益を確保できる目安とされています。
いざ経営を始めてみると、競合の参入によって賃料を下げざるを得ないなど、思わぬ事態が起こることも考えられるでしょう。稼働率は保守的に見積もり、損益分岐点もしっかりと把握することが大切です。

経営方式の選び方が間違っている

自分に合っていない経営方式を選ぶと、経営が立ち行かなくなる可能性があります。例えば、駐車場経営に時間が取れないにも関わらず、個人経営を選択すると管理に忙殺されてしまうでしょう。
駐車場経営はアパート経営と比べて手軽に始められる分、管理も簡単にできると考える方もいるかもしれません。しかし、先述のとおり個人経営方式は、すべての業務を自分でやることになります。駐車場経営にかかる労力と期待できるリターンを天秤にかけ、適切な経営方式を選ぶことが重要です。

税金の支払いを把握していなかった

駐車場経営をする際は、税金についての理解も重要です。
税金がいくらかかるか正確に把握できないと、予想よりも支出が大きくなり経営が難しく赤字になる可能性があります。
特に注意が必要なのは固定資産税です。
空き家を取り壊して駐車場にすると、固定資産税が高くなります。住宅用地には、固定資産税評価額が6分の1になる軽減措置がありますが、住宅を取り壊すと適用されなくなるためです。
ほかには、利益に対しては所得税が、土地が都市計画法に定められた市街化区域内にある場合は都市計画税がかかります。どのような税金がかかるか、事前に調べておくことも重要です。

管理会社の質が悪い

管理会社は、オーナー様の代わりに管理業務を行なってくれますが、品質の良くない会社を選ぶとずさんな管理により客足が遠のいてしまい、本末転倒となるおそれがあります。
具体的には、掃除がまったくなされていない、クレーム対応の仕方が悪い、設備のメンテナンスがずさんなどのトラブルが挙げられます。
管理会社を選ぶ際は、複数社を比較検討することが重要です。
また、管理会社によっては、契約期間や違約金などの条件を設定している場合があるため、契約時には諸条件も細かく確認しましょう。

駐車場経営で失敗しないためのポイント

駐車場経営で失敗しない為の4つの重要なポイントをご紹介します。

事前の市場調査と収支計画を徹底する

サラリーマンの副業として駐車場経営を検討する方も増えていますが、本業の合間に運営を行う場合は、特に収支計画を保守的に立てることが重要です。
楽観的な見込みだけで計画を進めると、実際の経営で収益が上がらず、資金繰りに苦しむ可能性があるので注意しましょう。
正確な市場分析と現実的な収支計画は、安定した駐車場経営の基盤となります。

信頼できるパートナー(管理会社)を選ぶ

管理会社は駐車場の運営において重要な役割を担いますが、質の悪い会社を選んでしまうと、ずさんな管理によって集客に悪影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、清掃が行き届いていない、クレーム対応が不適切、設備のメンテナンスが怠られているといった問題が生じることが考えられます。
このような事態を避けるためには、複数の管理会社を比較検討し、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。
また、契約時にはサービス内容、手数料、契約期間、違約金などの諸条件を細部まで確認するようにしましょう。

起こりうるトラブルへの対策を講じておく

月極駐車場経営でよく見られるトラブルとして、契約者以外の駐車や賃料の滞納が挙げられます。
これらの問題は収益を減少させるだけでなく、解決のための手間や費用も発生させるため、未然に防ぐための対策が不可欠です。
具体的な対策としては、防犯カメラの設置による監視強化や、契約書の内容を厳格化して責任の範囲を明確にすることが挙げられます。
また、定期的な駐車場の見回りも、無断駐車や放置車両を早期に発見し、対応するために有効な手段となります。
利用客が安心して利用できる駐車場環境を整えることで、トラブルの発生を抑制し、安定した経営を目指しましょう。

税金対策・節税を意識する

駐車場経営では、収益が出やすい一方で固定資産税や所得税の負担が大きくなる傾向があります。
節税対策を怠ると、せっかく得た利益が手元に残らず、経営が赤字に転落する可能性も考えられます。
そのため、税制優遇措置の活用や、場合によっては法人化を検討するなど、節税を経営戦略の一環として積極的に取り入れることが重要です。
適切な税金対策は、長期的に安定した駐車場運営を続けるために不可欠だと言えるでしょう。

駐車場経営に関するFAQ

駐車場経営に関して、よくある質問に答えます。駐車場経営を始めようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。

月極とコインパーキングどちらがおすすめ?

月極駐車場とコインパーキングのどちらが適しているかは、場合によります。
月極駐車場のおもなメリットは、月単位で安定した収入が入ることです。月極駐車場は、住宅街からオフィス街まで、広いエリアで固定客が見込めます。
しかし、初期費用がかかるため、売上が安定するまで回収に時間がかかることや、賃料の滞納リスクがあることは、デメリットといえます。
一方のコインパーキングは、回転率が高くなるほど利益が上がるため、うまくいけば大きく儲けることが可能です。繁華街や駅前など、車の出入りが多いところは特に向いているでしょう。
ただし、個人経営方式や管理委託方式の場合は、舗装や機械の設置などにより、月極駐車場よりも初期費用がかかる傾向にあります。収益についても、運営時期や天候によっては月極に比べ安定はしない点がデメリットといえます。

料金の未納以外に考えられるトラブルは?

これまでに紹介したもの以外でよくあるトラブルには、以下が挙げられます。

・月極駐車場で契約していない人が勝手に駐車する
・駐車場内にゴミをポイ捨てされる
・車を放置される
・設備の故障・破壊
・車上荒らし

これらのトラブルのなかには、自分の努力だけでは防ぎきれないものがあるのも確かです。しかし、良質な管理会社に委託する、ルールや監視体制を強化するなどの対策をとることで、発生件数を抑えることはできるでしょう。

駐車場経営にかかる費用は?

駐車場経営にかかる費用を下表にまとめたので、ご覧ください。

費用内訳
初期費用
(一括借り上げ方式の場合は不要)
・舗装代
・機械の設置代
ランニングコスト
(一括借り上げ方式の場合は不要)
・管理会社への委託費
(※個人経営方式の場合は不要)
・備品の修理
・放置車両の撤去代などの臨時支出
・設備のメンテナンス費
各種税金・固定資産税 ・都市計画税 ・所得税

ポイントは、経営方式によって発生する費用が異なることです。
個人経営方式や管理委託方式の場合は、基本的に上記すべての費用がかかります(個人経営方式の場合は委託費はなし)。
一方で一括借り上げ方式の場合は、初期費用とランニングコストが発生しません。
ローコストで経営したい場合は、一括借り上げ方式が向いているといえます。

まとめ

駐車場経営は、比較的ハードルの低い土地活用方法ですが、しっかりとリスクを把握しておかないと失敗する可能性があります。
経営方式によって、収益性や経営にかかる手間・コストが異なるため、自分のスタイルに合った経営方式を選ぶことが重要です。
不安があれば、専門業者に早めに相談してみるのも一つの手といえるでしょう。
本記事を参考に、失敗しない駐車場経営の準備を進めてはいかがでしょうか。

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